
七宝を始めた頃は、銀線を立てる難しさに発狂していた。最初の発狂は小学4年生の夏。
母が銀線を立てるプロで、正確で早く美しかった。なにより本当に早くて、スイスイ立てていくのでもはや簡単そうに見えた。
実際やってみると、ぐにゃぐにゃするし、ぐにゃぐにゃさせてると硬化して針金みたいに固くなるし、立ててみても浮くし、思った形にならないし、本当にむつかしくてむつかしくて。さらには終わらない。発狂しむかついていた。
発狂しむかつきながらしぶとく続けてみたところ、ようやく少し出来るように。少なくとも発狂しなくなった。「もっとこうしたら」など、奥が深く追求したいことはたくさんあるけれど、今では線で絵柄を描いていくこの作業が結構好きです。